人のアドバイスを聞かないで、残念な結果の人たち

毎年、この時期になると、提言発表会を開いている団体があります。
もう10年以上に亘って指導してきていますが、各社から課長クラスの人達が
合計20名程度が集まり、4つのグループに分かれて、自分達で提言
テーマを
選んで、作り込み、最終的に各社の社長クラスに向けて、提言を行います。

先週、その発表会があり、私も参加してきました。
リアルとオンラインで合わせて100名以上が参加する盛大なイベントです。

その中に、食材ロスを減らしたいとの趣旨で提言を行ったグループがありました。

提言テーマは、果物や野菜の廃棄ロスが多いことに着目し、
ある加工を施すと、日持ちがするようになるため、日本国内で年間数万トン単位で、
廃棄ロスを減らすことができるというものでした。

そのテーマ自体はよく、実際に実験も行っていたので、その効果があることは
確認できていました。

そして、Q&Aセッションとなり、会場から、「それはどんな味がするんですか?」
と質問が出ました。食品なので、たとえ日持ちしても、変な味がするのはよくないだろう
という趣旨での質問だったのでしょう。
それに対して、提言者側からは「分析によれば、無味・無臭です」という回答を行いました。
そして、さらに「舐めてみて確認しましたか?」と追加で聞かれました。
それに対しては、「実験室で、作ったものなので、自分達では・・・」との回答でした。

つまり、実験はしたけれども、自分達では試していないということだったのです。

会場は、静まり返りました。

人の口に入るものについて提言を行っているのに、自分達では怖くて、味見もしていない
ということだったのです。

その結果、最後の投票では、4グループ中最下位になってしまいました。
当たり前ですよね。

そうなることは分かっていたので、事前に私の方からも質問し、それに対して
どう応えるんですかとも尋ねていたんですが、本番時と同じ回答しかしていませんでした。
あまり言うと、このご時世「パワハラ」呼ばわりされるので、
それ以上は言いませんでした。
そして、言わないけれども分かるだろう、と思っていました。

どうも、このグループのリーダーが、それなりの提言が行えればいいと思っていた
節がありました。
つまり、褒められる程でなくとも、最終発表会で、自分たちのアイデアとその実験結果が
その場に居合わせた人たちに示せればいいのだと・・・。
志が低いですね。

その他のグループは、提言内容、トライアル結果、Q&A対応ともに良好で、
全体的には大変好評のうちに発表会を終えることが出来ました。

さて、この話には、さらに続きがあり、
その後の懇親会で、先ほどこのグループに質問をした人が、
「さっき見せたサンプルを持ってこい、俺が舐めて試してやる」となったのでした。
そこまで言って頂ける方は大変立派な方で、
本来は、そうした方の期待に応えられるような提言を行わないといけないですよね。

人の信用・信頼を得るには何が必要か、よく分かってもらいたいと思います。

 

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